みなさまお疲れ様です。
「日本は生産性がない」、「競争力がない」、「給料が上がらない」
最近はこのようなワードを耳にしすぎるあまり、それが日本の企業とまるでアイデンティティのように感じるようになりました。
うちの会社がまさにそうで、そのような環境に長く身を置いているとそれが当たり前だと錯覚してしまいます。
そんなうちの会社のとある技術部隊の実態を暴露していきたいと思います。
具体的な”ビジョンがない”
とある仲の良いコンサル会社の方と一緒に仕事をしたときに、
「御社はどうしたいの?」、「ウィルがないんだよね」、「howはいいからwhyを教えて」
といかにもコンサルらしいお言葉を何度か言われました。
そのたびに上司は、明言できずにその場をなんとか逃れるような歯切れの悪い回答ばかりしています。
なんていうか、”上から言われて仕方なくやっている感”がにじみ出てるんですよね。
これは上司だけでなく自分含めてチーム全員がそうです。
常に目的意識を持っているようなコンサルの方には、組織としてのビジョンやチームとしての役割りが明確でなく、普段からあまり考えてないことが一瞬で見透かされてしまっているんだなと。
弊社は全体的に朗らかで優しい社員が多い社風と言われていますが、裏を返せば明確なビジョンも強い使命感も持っていないボーっとした社員が多いってことなのかと考えると、いたたまれない気持ちになります。
自分もその一人です。
”管理職の能力不足”が保守的な思想を加速させる
私の上司(管理職)はいわゆるSIをずっとやってきたその道のプロで能力も高いため、二つのチームを掛け持ちして管理しています。
うちのチームのミッションはAIだったり新しいことだったりするので、上司にとっては専門領域外を扱うことになるんですね。
その状況でよく目にするシーンが、何か決定しないといけないことがあるたびに
「AIについては詳しくないんだけど…」
と前置きをしてから判断しようとします。
いやいや、技術的なこともある程度分かった上でないと、特にリソースの投資や技術的に関わる内容は判断できんくないか…?
むしろ、”ただ責任を取るだけの管理職”になってるけどそれでいいんか、と。
組織の人員配置ミスなんだろうとは思うのですが、それでも当の本人は「上にやれと言われたのでやる」スタンスは崩さないので、こういう状況をよしとする風潮が出来上がってしまうんだと思います。
このように「ついでにこっちのチームも見てね」的な状況がまかり通る組織では、熱意をもって新しいものに着手する余裕は生まれるはずもなく、むしろ失敗しないようにこれまでの業務をこれからもやっていく保守的な考え方にならざるを得ないですよね。
そうなると、チーム内でも悪影響が出始めます。
「リーダーに相談するときはちゃんと説明資料の準備をしてから話そう」
「判断しやすいように道筋をある程度建ててから話そう」
「負荷をかけないようYes/Noの二択で判断できるレベルまで落とし込んであげなよう」
ということを意識するようになり、個人の負荷はどんどん大きく増えて非効率かつ生産性のないタスクに囲まれることになります。
”指示待ち”が生み出す悪影響
「指示待ち人間になるな」というフレーズは多くの自己啓発本で目にすると思うのですが、社員を働かせたい経営者目線の言葉だなとつくづく思います。
経営者は会社と自分の利益とついでに社員の生活を守るのに必至なんだろうとは思います。
しかし、ある程度の規模の会社の社員の意識は違います。
自分がそうですが、心の奥底で”最低限の給料をもらいつつ、いかに責任を負わず、仕事せずに過ごせるか”ということを思うようになってしまいます。
それでも会社は成り立つし、最低限の給料ももらえて、リストラされることもない
つまり、身に及ぶ危機がまるで実感としてないのです。
指示待ちをしてしまう根本原因は危機感や責任感の無さというように捉えているのですが、
さらに掘り下げると、チームのKPIや達成目標の甘さが起因していると考えています。
面白いことに期初に行われる面談では、企業の至上命題である”売上○○円達成する”系のクリティカルな実績目標は絶対に立てません。
その代わり、”売上アップに貢献する”とか”新規顧客獲得に貢献する”といったどこまで貢献する?といったレベル感のわからない曖昧な目標を設定しています。
「そもそも技術部隊だし、少しでも貢献していればOKですよね?」ということがまかり通るようにするのです。
結果的に、部下は技術的な成長も売上や実績もあげないまま少し頑張れば最低限の評価を得ることができ、責任感や向上心を持たずにダラダラと生産性なく仕事をする環境ができ上がるのです。(もちろん大きな評価は得られませんが)
技術をわかってない上司や上司のさらに上に立つ人は、きちんと部下を評価しようとする意識がありません。
横並びで簡単、かつ、わかりやすく実績を評価できる指標を置いていることが背景にあるんでしょう。
社員のモチベーションを改善するには適切な評価方針を定めることなんだと思います。
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