※この記事では生成AI=LLMの意で使用しています。
どの会社も予測AI < 生成AI
私は職業柄、様々なお客様の状況や課題を聞きます。
お客様のところに行って、データ分析や予測AIで何かできないかと売り込みに行くわけですが、最近は状況が一変しています。
ここ最近どのお客様も口をそろえて
「最近の課題は生成AIの利用を進めることです」
と言います。
半年くらい前までは、
「生成AIは興味あるけどセキュリティ面で使えないんですよぉ~」
とか
「他社さんがどう動くか様子見してます」
とか言っていたのに。
時代の流れがまさに変わっているのを身をもって体感することができて、社会って面白いなと思うのと同時に、自分のスキルセットも変えていかないと仕事がなくなると感じました。
そう、予想外の速さで予測AIが生成AIに駆逐されているわけです。
「予測AIってできたら凄いけど、なくてもあまり困らないんだよね」
そもそも、予測AIは必須なのか?と言われるとそういうものでもありません。
これまでAIなしで社会は成り立ってわけですから、AIがなくても仕事はできますし、会社も回ります。
DXだのデータ駆動型だのと経営層が騒ぐから仕方なくAI導入を検討するという、低いモチベーションで始まる商談を数多く経験してきました。
担当者からすると、
- AI導入すると何がどうなるのかわからんし、やり方もわからん
- むしろ今やらないといけない業務が山積み
- 成功するかわからんAIに手を出すより今の業務をこれまで通り進めた方が評価される
こんな状況でAI導入なんて進むはずもなく、むしろ鬱陶しさすら漂い出します。
(予測)AI導入は難しいと言われているのは事実ですが、その理由の5割くらいは担当者のモチベーション問題なんじゃないと思ってます。
そんな経営層が次は「これからは生成AIだ!」と言い出すわけです。
担当者からすると溜まったもんじゃないのですが、生成AIは一味違いました。
- 予測AIより課題解決のイメージしやすい!
- 世界的に今注目されている!
- ちょっと使うだけでも効果が凄くて便利そう!
生成AIに対する期待とモチベーションがまるで違うのです。
生成AIをやっているというだけで社内でも一目置かれる存在になれるし、何より新しいものを取り入れて課題解決に貢献してるんだという使命感に駆られるのです。
しかも今後は、生成AIスキルを持っていることで転職市場価値も上がること間違いないでしょう。
そりゃ、今さら予測AIなんか取り組んでいる場合じゃないとなるわけです。
正直、予測AIは成功すれば利益を産み出せるかもしれないけど、別になくても困らないんだよなぁと、普段から支援している私も実はひっそりと感じています。
やるべきことは生成AI一択で本当に大丈夫なのか?
予測AIか生成AI?と言われれば、それは解決したい課題に合わせて選択することが重要というのが今のところの私の答えです。
その理由は、現状の生成AIでは解決しにくい不向きな課題も数多くあるからです。
例えば売上予測や故障予測といった、これまで予測AIが得意としていた専門的な課題を解決したい場合は依然として予測AIの方が高い精度で予測させることが可能です。
この、「高い精度で予測ができる」という点は、現代のビジネスにおける意思決定の際にとても有利に働きます。
つまり、予測AIには予測が上手く機能することで確実な利益創出が見込めるというメリットがあるのです。
一方で生成AIはどうか?というと、平均的なアウトプットを求めるような課題解決の場合には有効と捉えるとイメージしやすいかもしれません。
平均的なアウトプットというのは考え方によっては非常に強力で、
- コーディング経験がなくても基本的なコードは書けてしまう
- 全く絵心がなくても、それっぽい絵が描けてしまう
- 全くアイデアがない状態から一般的なアイデアを一瞬で出していまう
というように、生成AIを活用することでゼロの状態か平均までもっていくことが可能となります。
生成AIに対する注目度がとても高い昨今ですが、解決したい課題に合わせて適切に手法を選びましょうというのが私の思いです。
今後、生成AIがさらに発展することで予測AIとの区別はなくなっていくという見方もあるようですので、区別すること自体ナンセンスと言われてしまうかもしれません。
結論
- 生成AIの方がイメージしやすくあらゆる面でのインパクトが予測AIより大きい
- データサイエンティストは生成AIの知識がないと仕事がなくなるかもしれない
- 真のデータサイエンティストになるには、目の前の課題に対して適切にAIを選択することが重要
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