データサイエンティストに求められるのは”価値を生み出す”こと
データサイエンティストといえば幅広い知識が必要なスーパーマンみたいな職業と言われることが多々あります。
実際に、データサイエンス協会でもデータサイエンティストに必要な能力は「ビジネス力」、「データサイエンス力」、「データエンジニア力」の3つの領域としており、これらの能力は持っていれば持っているほど優秀なデータサイエンティストと言えます。
しかしながら私がお客様の状況を見たり、課題を聞いたりする中で実際に求められていることは上記の3つの能力よりも、プロジェクトを上手く成功に導くことができるプロジェクトマネジメント力ではないかと思っています。
要するに、高い予測精度を持つモデルを作り出すことが求められるように、
「プロジェクトを成功に導く」≒「利益を産み出すことができる」
ことが強く求められているように感じます。
これまでは、成功したかどうかは触れずに”我が社も最新のAI技術に着手してる!”とアピールするだけで宣伝になったり注目されていたかもしれません。
しかしながら、近年AIという言葉は新しいものではなくなり、”やってるアピール”だけでは注目されず、ちゃんとした成果を求めらる時代になっているように思います。
そうなるとAIプロジェクトを成功させて利益を創出することに焦点が当てられ、データサイエンティストはいよいよ、現実と向き合わないといけなくなるのです。
成果を出すにはAI専属の組織の存在が重要
これまでたくさんのお客様の状況を見ていると、AIプロジェクトで成果を上げている会社とそうでない会社の違いは、
”組織横断が可能なAI推進部隊がチームとして存在する”かです。
一方で小さいチームまたは個人レベルでAI導入にトライしているケースもよく見かけますが、
いくらAIに明るく優秀な担当者が本業の傍らでAIを使って効率化、自動化を進めていても、その取り組みはスケールすることがないのです。
担当者としてはスケールさせるメリットが薄く、そういうことをする使命を与えられているわけでもないので、その担当者のみがノウハウを蓄積していくことになり、結果として閉じた成果にしかならないんです。
また、AIプロジェクトに対して”本業の余力で試しにやってみる”くらいに思って着手すると、なんの成果も得られないばかりか、
”AIって難しくて自分達にはできない”
”AIやったけど効果は期待できなさそう”
と、適切な評価もされないまま間違った方向性に進んでしまう可能性があります。
そうならないためにも、専属のAI推進部隊のようにちゃんと使命もった人が十分な工数と役割を与えたうえでプロジェクトに着手することが必要となるのです。
まとめ
データサイエンティストに求められるのは、単なる技術力や知識の広さだけではありません。
AIプロジェクトを通じて、実際にビジネス価値を生み出すことが最も重要な使命です。
専属のAI推進部隊を構築し、適切なリソースとマネジメントを行うことで、プロジェクトは初めて成功に導かれます。
これからのデータサイエンティストには、技術を駆使しながらも、価値を最大化するための視野を持つことが求められています。
現実と向き合い、成果を生み出すための力を発揮していきましょう。
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