私は全くの別業界から転職し、そしてデータサイエンティスト歴が3年を超えました。
3年も同じ仕事をしていると、その先のキャリアについて考えることが多々あります。
大手転職サイトであるDodaで「データサイエンティスト 求人」と調べると、1200件を超える求人が検索でヒットします(https://doda.jp/DodaFront/View/JobSearchList/j_oc__0320M/-preBtn__3/)
「未経験でもOK」なんてワードもよく目にするので、様々な業界でなんだかんだ言ってまだまだデータサイエンティストの数が足りていないのだろうと推測できます。
そんな引く手数多のデータサイエンティストですが、もちろん給与面も少なくありません。
私が普段から一緒に仕事をさせてもらっているデータサイエンティスト達は、イケイケのベンチャー企業だったり、コンサルがメインの会社だったりするのですが、やはり年収は1,000万円を余裕で超えています。
私もまだまだ至らぬところは多いですがそれでも年収600万円台です。世の平均収入より高いです。
「違う会社に入ったらもっと給料上がるんだろうか?」
「成果を出していかないことにはデータサイエンティストとしての箔がつかない!」
そんなことをよく考えますが、では一体、データサイエンティストにとっての成功とはなんでしょうか?
成功①:機械学習モデルを利用し、利益を生み出したことがある
これはデータサイエンティストに限らずどの職種でもそうかもしれませんが、データサイエンティストが機械学習を用いて利益を出すというのは非常に長い道のりであり難しいことです。
なぜならば、ただデータを集めて機械学習予測モデルを構築するだけでは利益にならず、ビジネスの現場で使われて初めて理系になるからです。
ここまでのこと成し遂げるためには多くの場合、他部署を巻き込んだ全社横断的な大規模なプロジェクトにならざるを得ません。
例えば、ざっくりと挙げるだけでも
- 課題を持っている現場部門
- データ管理をしているIT部門
- モデルを作成、評価するデータサイエンティスト
- 作成したモデルをシステムに落とし込むシステム部門
- 実際に使用する現場部門
到底、データサイエンティスト一人だけで成し遂げられる問題ではありません。
このように、データサイエンティストが1から機械学習を導入して成果を出すことは至難の業といえます。
なので、たいていの場合はもっと小規模にプロジェクトを立ち上げて、本当に機械学習が使えそうか判断をしてくPoC(Proof of Concept )に日々勤しむわけです。
そしてその努力はむなしく、PoCは様々な理由から失敗またはペンディングとなるケースが多く、「ウチの会社ではAIを導入することは難しい」と不名誉な結論が付けられてしまいます。
当然、そうなればデータサイエンティストが利益を出していくことはますます難しくなります。
成功②:Kaggle等の競技データサイエンスで賞を取る
データサイエンス界隈ではKaggleやSignate、ProbSpaceといった、
与えられた課題、データに対して予測精度を競い合う、競技データサイエンスというものがあります。
これらのサイトで優秀な成績を収めるともらえる称号はまさにデータサイエンティストとしての大きな成功の一つと言えます。
実業のデータサイエンスで利益を出していくには会社規模や社内の雰囲気によって成功が左右されるケースがあるのですが、競技データサイエンスであれば個人の能力や頑張り次第では十分狙える成功です。
実際にKaggle グランドマスターを取得したことを自己紹介の時にアピールする人も多いですし、ITベンチャーといった一部の企業では十分に認知もされているので、転職する際に履歴書に書いてアピールすることもできるくらい強力なものになります。
ぜひデータサイエンティストであれば取得を目指したいものですが、相手は世界中のデータサイエンティストですのでこれまた難易度が高いのは事実です。
しかし、データサイエンスに関する様々な技術が身につくので得られるものも多いです。
ただし、競技データサイエンスは精度が全てなので実業務では使えないスキルが登場することもよくあります。
また、”与えられた課題を正解の含まれる与えられたデータで解く”ということで実業務にそぐわない点も多く、本当の意味でのデータサイエンスではないと言う人もいるでしょう。
成果③:データサイエンスの知識やノウハウをアウトプットする
これまではデータサイエンスの経験やスキル面での成功を紹介しましたが、データサイエンスを第3者に教えるということも重要なポイントとなります。
技術面で少し遅れを取っている弊社のような会社がよくやる手法ですが、
「経験豊富(まぁまぁ嘘)なウチの会社がデータサイエンスの教育メニューもありますよ(資料はこれから作るので嘘)!」
と言って、嘘を身に纏いAI教育の営業を仕掛けるのです。
また、碌に実績もないのにセミナーを開いたりもします。そして語ります。他社事例を。
しかしながらそんな社内の裏側の事情を外の者が知るはずもなく、実際に教壇にデータサイエンティストを名乗る人間が立とうものなら、それはもう先生と生徒の関係です。
つまり、利益を上げることができてしまい、ビジネスとして成立するのです。
それだけAIの習得は難しく、自分たちだけではどうにもならないと考えている企業が多いのです。
以上、データサイエンティストにおける3つの成功でした。
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